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日本酒醸造の主役•コウジ菌の持つ多機能型フラビン酵素の発見〜不活性型飽和炭化水素への多重塩素化と芳香族性水酸基の多重メチル化を触媒〜

 

本学薬学部 生薬学分野の渡辺 賢二 教授らは、日本酒や味噌の醸造に用いられるコウジ菌Aspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼー)の生産する抗生物質「ダイアポーチン」の生合成経路において、化学構造に含まれるジクロロメチル構造がフラビン依存型ハロゲン化酵素AoiQにより形成されることを明らかにしました。

 

メチル基などの脂肪族炭化水素の炭素—水素結合は化学的に不活性であり、金属触媒や活性中心に鉄を含む生体触媒を用いてこの結合を開裂させる研究が世界中で盛んに行われていますが、今回発見したハロゲン化酵素AoiQは活性中心に鉄などの金属を持たず、代わりにフラビン補酵素を有する世界で初めての例となりました。またAoiQはC末端領域のメチル基転移活性により、ダイアポーチンの芳香族水酸基のメチル化を触媒することが明らかになりました。今回、発見した酵素を人工的に改変することで塩素原子を自在に導入できる触媒の創製が可能になると期待されます。

 

本研究成果は、本学薬学部 生薬学分野 (渡辺 賢二 教授、恒松 雄太 助教、薬学科6年生 佐々 侑寿香と独国Leibniz Institute for Natural Product Research and Infection Biology – Hans Knöll Institute (HKI) Christian Hertweck 教授らによるJSPS頭脳循環共同研究成果であり、化学分野において権威のある国際化学雑誌「Angewandte Chemie International Edition」(5-Year Impact Factor: 12.06) 電子版に2016825日付けで掲載されました。

 

〈掲載された論文〉

Regioselective Dichlorination of a Non-Activated Aliphatic Carbon Atom and Phenolic Bismethylation by a Multifunctional Fungal Flavoenzyme

Pranatchareeya Chankhamjon, Yuta Tsunematsu, Mie Ishida-Ito, Yuzuka Sasa, Florian Meyer, 
Daniela Boettger-Schmidt, Barbara Urbansky, Klaus-Dieter Menzel, Kirstin Scherlach, 
Kenji Watanabe, Christian Hertweck* 

 

2016 0826 fig2 

 

関連リンク:Wiley Online Library

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201604516/full    

 

静岡県立大学 薬学部 生薬学研究室

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