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生体内エポキシ化メカニズムの解明〜複雑な化学構造を持つ天然物が作られる過程で鍵となる中間体の生合成機構〜

  

本学薬学部 生薬学分野 渡辺 賢二 教授とUCLAに所属するYi Tang教授らは、糸状菌Penicillium sp.(ペニシリウム・エスピー)の生産する抗生物質「ペニゲキノロン」およびAspergillus nidulans(アスペルギルス・ニーデュランス)の生産する抗生物質「アスポキノロン」は生合成においてエポキシ体が重要中間体であることを明らかにしました。

 

エポキシ体はその後に続く酵素反応によって新たな炭素−炭素共有結合形成、立体選択的エーテル環構築など天然物の化学構造に多様性を与え、ペニゲキノロンやアスポキノロンと言った化合物の作り分けを可能とした共通中間体であることが明らかにされました。本成果により、生合成中間体や有機合成により与えられるエポキシ体に反応できる酵素をデザインし反応させることで、複雑な構造を持つ化合物を迅速かつ合理的設計に基づき構築することが可能になると期待されます。

 

本成果は、本学薬学部 生薬学分野(渡辺 賢二 教授、平山 裕一郎 特任助教)UCLAに所属するYi Tang教授らによるJSPS頭脳循環共同研究成果です。ケミカルバイオロジー分野において権威のある国際化学雑誌「Nature Chemical Biology(5-Year Impact Factor: 13.059) 電子版に2017123日付けで掲載されました。

 

2017 0130 topics 

 

〈掲載された論文〉

Enzyme-Catalyzed Cationic Epoxide Rearrangements in Quinolone Alkaloid Biosynthesis

Yi Zou, Marc Garcia Borras, Mancheng Tang, Yuichiro Hirayama, Dehai Li, Li Li, Kenji Watanabe, K. N. Houk* and Yi Tang*

 

関連リンク:Nature Publishing Group 

http://www.nature.com/nchembio/journal/vaop/ncurrent/full/nchembio.2283.html    

 

静岡県立大学 薬学部 生薬学研究室

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