Font Size

Cpanel

research

糸状菌由来天然物のマレイミド構造がハイブリッド型巨大酵素により作られることを証明

 

本学薬学部 生薬学分野 渡辺 賢二 教授、佐藤 道大 助教と米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に所属するYi Tang教授らは、糸状菌Penicillium oxalicum(ペニシリウム・オキサリカム)の生産する強力な抗腫瘍活性を持つ抗生物質「オキサレイミド」のマレイミドおよびデカリン骨格がポリケチド合成酵素とペプチド合成酵素のハイブリッド型巨大酵素により生合成されることを明らかにしました。

 

天然物にはマレイミドやスクシイミドを含む化合物が数多く含まれていますが、これらの化合物が生体内でどのように形成されるのかは不明でした。これらの化合物の炭素骨格はポリケチド合成酵素と呼ばれる脂肪酸生合成と類似した巨大酵素とポリケチド合成酵素/非リボソーム依存性ペプチド合成酵素のハイブリッド型巨大酵素によりアミノ酸部分を形成することが観測できました。続いて、この炭素骨格はDiels-Alder反応によりデカリン環の形成、Knoevenagel縮合およびsemipinacol型の転位反応によりマレイミドが形成されると考えられます。さらに、酸化反応によりスクシイミドへと導かれることを観測できました。今回の研究では天然物の分子多様性を担う酵素群を突き止め、生合成経路を明らかにすることに成功しました。これらの酵素をさらに解析することで、天然には存在しない生物活性の優れた化合物の創製が可能となります。

 

本成果は、本学薬学部 生薬学分野(渡辺 賢二 教授、佐藤 道大 助教)とUCLAに所属するYi Tang教授らによるJSPS頭脳循環共同研究成果です。化学分野において権威のある国際化学雑誌「Journal of The American Chemical Society」(Impact Factor: 13.038) 電子版に2017年4月2日付けで掲載されました。

 

 2017 0403

 

〈掲載された論文〉

Collaborative Biosynthesis of Maleimide- and Succinimide- Containing Natural Products by Fungal Polyketide Megasynthases

Sato, M., Dander, J. E., Sato, C., Hung, Y. S., Gao, S. S., Tang, M. C., Hang, L., Winter, J. M., *Garg, N. K., *Watanabe, K. and *Tang, Y.

 

関連リンク:ACS Publication

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.7b02432    

 

静岡県立大学 薬学部 生薬学研究室

http://sweb.u-shizuoka-ken.ac.jp/~kenji55-lab/

 

静岡県立大学薬学部・薬学研究院

〒422-8526

静岡県静岡市駿河区谷田52-1 

電話 054-264-5102