浅井知浩 (医薬生命化学分野教授、専門:薬物送達学、生物化学)
薬物送達学の力でくすりを創る
私が専門とする薬物送達学は、くすりの理想を追求する学問分野といえます。副作用を伴わずに病気を治せるくすりが理想的ですが、その理想に近づくためにドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究がなされています。必要な部位に必要な量の薬物を必要な時間だけ作用させるのがDDSの概念です。DDSは創薬シーズや既存薬の価値を最大化するのに有効であるだけでなく、例えば核酸医薬のシーズのように医薬品化にDDSが欠かせない場合があります。私は薬物送達学の力でくすりを創ることを目標に、がんや脳梗塞の治療に有効なDDSについて研究を行っています。多くの共同研究者や学生とともにDDSの技術革新に挑戦し、薬学研究者として先端医療への貢献を目指します。