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コリバクチン化学構造の全容解明に成功

 本学薬学部 渡辺 賢二 教授、株式会社アデノプリベント 周 韜  研究員、食品環境研究センター 若林 敬二 特任教授、食品栄養科学部 三好 規之 准教授、日本獣医生命科学大学 獣医学部 吉川 悠子 講師、浜松医科大学医学部 椙村 春彦 教授、京都府立医科大学医学部 武藤 倫弘 教授、京都府立医科大学医学部 石川 秀樹 特任教授および国立医薬品食品衛生研究所 合田 幸広 所長らの共同研究グループは、大腸がんリスク因子コリバクチンの化学構造の全容解明に成功しました。

 腸内細菌叢を構成する一部の大腸菌が動物細胞に接触すると、動物細胞のDNA二重鎖の切断および遺伝子変化による遺伝毒性が生じることが報告され、これらの菌が大腸がんのリスク因子である可能性が指摘されていました。これら大腸菌が生合成する天然有機化合物が遺伝毒性物質の本体と考えられ「コリバクチン」と命名されています。しかし、世界において高い注目を集める化合物でありながら、コリバクチン自体の検出は達成されておらず、化学構造は未決定のままでした。我々が分離したコリバクチン高生産株より、今回世界で初めてコリバクチンを捕らえることに成功しました。コリバクチンは極めて反応性が高く、容易に溶媒などの求核性の物質が付加し、複数の化合物へと分解する性質があり、加えて非常に微量な生産量であることが、コリバクチンをこれまで検出できなかった要因であると結論づけられました。この事がコリバクチンの発がん作用機序の解明やマーカーとしての応用利用においての障壁となっていましたが、本研究成果により今後大腸発がんの予防マーカーとしての活用や、その除去による大腸がんリスクの低減が期待できます。

21-04-01

図 コリバクチン類の化学構造

 

 本成果は、化学分野において最も権威のある国際化学雑誌「Journal of the American Chemical Society(Impact Factor: 14.612) 電子版に2021331日付けで掲載されました。

 

〈掲載された論文〉

Isolation of novel colibactin metabolites from wild-type Escherichia coli and in situ trapping of a mature colibactin derivative

Zhou, T., Hirayama, Y., Tsunematsu, Y., Suzuki, N., Tanaka, S., Uchiyama, N., Goda, Y., Yoshikawa, Y., Iwashita, Y., Sato, M., Miyoshi, N., Mutoh, M., Ishikawa, H., Sugimura, H., Wakabayashi, K., Watanabe, K.

 

関連リンク:

American Chemical Society

 

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