8.マグネシウムの再吸収異常と生活習慣病との関連性について
 マグネシウム不足脳梗塞心筋梗塞高血圧糖尿病などとの関連が指摘されているが、マグネシウムがどのように体内へ取り込まれているのか不明なため、マグネシウムの取り込みを促進、 改善する薬は開発されていない。我々はマグネシウムの取り込み経路の解明と、その取り込み経路に対する病態や薬物の効果を検討している。


免疫抑制剤によるマグネシウム再吸収の低下
 臓器移植の治療時にシクロスポリンなどの免疫抑制剤が使用されるが、低マグネシウム血症などの副作用のために使用期間や濃度に制限があり、十分な治療効果があげられないことがある。その異常機構は不明であったが、腎臓の尿細管に発現する TRPM6 マグネシウムチャネルの発現低下が関与することを明らかにした。マグネシウムチャネルに作用しない新しい免疫抑制剤の開発が期待される。


高血圧症におけるマグネシウム再吸収の低下

 食塩の過剰摂取により高血圧になるモデル動物では、腎臓におけるマグネシウムの再吸収が低下した。その原因を調べたところ、マグネシウム輸送に関わるクローディン-16と呼ばれるタンパク質が脱リン酸化され、細胞質内に分布するために、マグネシウムを再吸収できないことが明らかとなった。クローディン-16のリン酸化を正常化する薬剤の開発により、高血圧症の予防、改善が期待される。
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