推薦教科書・参考書 



有機合成のための遷移金属触媒反応
(辻二郎著、東京化学同人)

 2008年発行。
 遷移金属触媒が有機合成においてどのように使われているかを学ぶには最適の本です。触媒反応の基本的事項がまとめられており、遷移金属触媒の入門書として強く推薦します。


有機反応論

(奥山格著、東京化学同人)

 2013年発行。
 有機化学反応の原理に関する良書です。分子軌道や反応速度、溶媒効果など、化学反応を詳しく考える際に必要な基本事項が1冊にまとめられています。さらに最終章では、有機金属化学についてコンパクトに説明されています。
 有機化学反応の研究をしている大学院生には、半年から1年間かけて何回も読んでほしい本です。



フロンティア軌道法入門 
― 有機化学への応用
(I. フレミング著、福井健一監修、竹内敬人・友田修司訳、講談社)

 1978年発行の本ですが、分子軌道の考え方の基礎がわかりやすく(簡単という意味ではない)書いてあり、今でも大いに参考になると思います。
 私自身は学生のときに読み、手元にある本には書き込みやアンダーラインが至る所に見られます。特に、2〜3章にあるKlopman-Salem式やHSAB、両性試薬のあたりは、読んで感動した記憶があります。
 フレミングによる約30年ぶりの改訂版「Molecular Orbitals and Organic Chemical Reactions」が2009年にWileyから発売されています。英語版ですが、内容が新しくなり、博士課程の学生さんには薦めます。