本文へスキップ

TEL.054-264-5234(研究室)
054-264-5237 (教授室)

学会発表Conference

2026年6月3〜5日 日本薬剤学会第41年会

手動式錠剤製造機を用いた院内製剤プレドニゾロン含有ミニタブレットの調製

 私は、プレドニゾロンという薬を使った「ミニタブレット(小さな錠剤)」を病院や薬局で作る方法と、その品質について発表しました。
 プレドニゾロンは、子どもの腎臓の病気である小児特発性ネフローゼ症候群などの治療に使われる大切な薬です。しかし、強い苦みがあるため、飲み続けることが難しい患者さんも多くいます。
 そこで私は、薬剤師が病院内で簡単に作れる小さな錠剤を目指し、ミニタブレットの作製方法を検討しました。研究では、小型の打錠機(錠剤を作る機械)と、料理用のヘラを使ってミニタブレットを作製しました。また、作った薬について、薬の量が均一に入っているか、体の中で適切に溶けるか、運搬中に壊れないかなどを確認する試験を行いました。その結果、必要な基準を満たしており、患者さんに使える可能性がある品質のミニタブレットを作れることが分かりました。
 今後は、味をつけるなど薬の苦みを感じにくくする工夫を加え、患者さんがより飲みやすい薬へ発展させることを目指しています。
青木(6年生)


ミチグリニド含有ミニタブレットの製造と臨床適用の可能性

 高齢者や小児の中には、通常の錠剤を飲み込むことが難しい人がいます。そのため、直径4 mm以下の小さな錠剤である「ミニタブレット」が注目されています。ミニタブレットは飲み込みやすいだけでなく、服用する錠数を変えることで患者さん一人ひとりに合わせた細かな量の調整ができるという利点があります。しかし、実際に医療現場で使用するためには、すべての錠剤に同じ量の薬が含まれていることや、病院や薬局で普段使われている機械で問題なく扱えることを確認する必要があります。
 そこで本研究では糖尿病治療薬であるミチグリニドを用いてミニタブレットを作製し、その品質を評価しました。その結果、製造したミニタブレットにはほぼ同じ量の薬が含まれていることが確認されました。また、薬は水の中で5分以内にほぼ100%溶け出し、速やかに効果を発揮できる可能性が示されました。
 さらに医療現場における実用性の評価を行うために、病院や薬局で薬を1回分ずつ袋に分ける分包という作業のために使われている機械を用いて試験を行ったところ、1500回の分包のうち1包のみ規定量より1錠多く入ってしまうというエラーが起こりました。この結果から、作製したミニタブレットは現在の医療現場の設備でも問題なく扱える可能性が示されました。
 以上より、ミチグリニドをミニタブレット化しても十分な品質を保つことができ、実際の医療現場で利用できる可能性が示されました。将来的には、高齢者や小児など薬を飲み込みにくい患者さんの服薬を支える新たな選択肢になることが期待されます。
石坂(6年生)
     

ページの最上段に戻る

2026年3月26〜29日 日本薬学会第146年会

Levofloxacin投与中に中枢神経中毒が疑われる患者において血清中Levofloxacin濃度測定及び薬物動態解析を行った1症例

 私はレボフロキサシンによる中毒症状が疑われた症例に対して、血液中の薬物濃度を測定し、薬物が体内でどのような動きをするのかを解析した結果について発表しました。血液中の薬物濃度を測定し、論文や添付文書に記載されている血中濃度と比較することで、薬と薬物中毒の因果関係を調べることが出来ます。本研究は、静岡県にあるコミュニティーホスピタル甲賀病院との共同研究です。
 レボフロキサシンは主に肺炎の治療で用いられる抗菌薬の1つです。薬は身体が処理できる一定の量を超えてしまうと、体内の処理システムが追い付かなくなります。その結果、想定を遥かに超えた反応が身体に現れることがあり、これを薬物中毒といいます。レボフロキサシンにも薬物中毒症状があり、身体が勝手に動いてしまう、無いはずのものがそこにあるように見えるなどが報告されています。
 今回の80歳男性患者は、これらの症状が発現して抗菌薬による中毒症状が疑われました。そのため血液中の薬物濃度を測って、レボフロキサシンとそれによる薬物中毒症状の関係を調べました。その結果、この患者の最高血液中濃度は健康な成人における最高血液中濃度と比べて高いことが分かりました。このことから、レボフロキサシンが中毒の発症に関係した可能性が考えられました。
畠山(6年生)

慢性血栓塞栓性肺高血圧症患者におけるRiociguatの母集団薬物動態解析

 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)患者さんにおけるリオシグアトの母集団薬物動態解析についての研究をポスター発表しました。CTEPHは肺の血管に血の塊ができてしまい、血流が悪くなる疾患で、リオシグアトは肺の血管を広げることで血流を改善するお薬です。
 薬物動態とはお薬を飲んでから吸収され、体の中で血流に乗って広がって行き、効果を発揮し、体外へ出ていくまでの過程のことです。薬物動態は患者さんの年齢、体重、腎機能、肝機能、遺伝的な要因などの影響を受けることで個人差が大きくなることがあります。薬物動態を明らかにすると患者さんにちょうどいい量のお薬を投与できるようになり、副作用などを減らせる可能性があります。
 薬物動態を調べる方法の1つに母集団薬物動態(PPK)解析があります。この方法は複数人の患者さんから得られた薬物の血中濃度を集めて解析することで、平均的な薬物動態や薬物動態に影響する要素を求めることができる解析方法です。

 リオシグアトの薬物動態情報は海外での臨床研究や別の疾患(肺高血圧症)の患者さんから得られたものであり、日本人CTEPH患者さんでも同じかどうかは分かっていません。そこで私たちは浜松医科大学と共同で日本人CTEPH患者さんのリオシグアト血中濃度を測定し、それをPPK解析することで、この患者集団での平均的な薬物動態を求めました。また、NT-proBNP(心機能に関わる検査値)が薬物動態に影響する可能性があると考えられました。
渡邉(6年生)
学生優秀発表賞(ポスター発表)を受賞しました。

ページの最上段に戻る

実践薬学分野〒422-8526
静岡市駿河区谷田54-1
 一般教育棟1階,3階
TEL 054-264-5234(研究室)
  054-264-5237(教授室)
FAX 054-264-5234