一級および二級アルコールの酸化は,アルデヒドやケトンの古典的合成法である.文献に挙げられている酸化剤は膨大である.
PDCは,一級,二級アルコールおよびアリル,ベンジルアルコールに対する選択的な酸化剤である.また,アリルおよびベンジルアルコーは活性二酸化マンガンによっても酸化される.
PCCを塩化メチレンを溶媒として用いる方法(Corey試薬)はCrO3-pyridine-コンプレックス(Collins試薬)をいろいろ改良したものの中で,特に調製および取り扱いの上で簡単であり,重要な変法である.多くの場合収率もよく,酸に弱いアルコールも酢酸ナトリウムあるいはアルミナを共存させることにより,円滑に酸化することが出来る.
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一級および二級アルコールからそれぞれアルデヒド,ケトンを得るさらに簡便で効率的な方法としてCorey-Kim酸化(NCS-DMS-コンプレックス)も有効である.その他に,二級アルコールの酸化には,アルミニウムアルコキシドとハイドライド受容体としてアセトンを用いるOppenauer酸化がある.
アルデヒド合成の緩和な方法としては,Swern酸化(DMSO/シュウ酸クロリド)がある.この方法は小スケール合成に適している.
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