95日(水):第29回有機合成化学セミナー 1日目 午前

奨励賞受賞講演  (座長 (静岡大理)塚田 直史)

A-1 (1305-1340)
「直接的C-H官能基化反応の新展開」
New Development toward Direct C–H Functionalization Strategies

(東大院薬) 上條 真

 短工程化により合成を効率化するプロセスや、直接的な官能基導入により簡便に分子を高付加価値化する手法は、環境に対する負荷を抑えた省エネかつ廃棄物低排出型の分子変換法である。またこれらは同時に、医薬品や機能性材料といった化学物質に支えられた人類社会の維持に不可欠な合成技術である。本講演では我々が研究を進めている、高い反応性をもつ酸素ラジカル的化学種を利用したC(sp3)–H結合の直接的な官能基化法を紹介する。


A-2 (1340-1415)
「有機リチウム反応の高度制御に基づくフローマイクロ合成」
A flow-microreactor approach to organolithium reactions

(京大院工) 永木 愛一郎

 有機リチウム反応は合成化学において極めて重要な役割を果たしているが、一般に有機リチウム化合物の多くは非常に不安定であるため、反応の制御が困難である場合も少なくない。今回、マイクロリアクターの特長を活かした短寿命な不安定有機リチウム中間体を経由する様々なタイプの反応制御法の開発について紹介する。


A-3 (1415-1450)

「希土類アルキル錯体触媒による高選択的分子変換反応の開発」
Efficient, selective organic synthesis by rare earth alkyl catalysts

(理研) 西浦 正芳

 新規触媒の開発は、有機合成や高分子合成を含む物質変換化学の飛躍的進歩に繋がる重要な研究課題である。我々はこれまでより選択的、より効率的な物質変換触媒の開発を目指して、新しい構造をもつ希土類金属錯体の合成とそれを利用した重合反応や有機合成反応などの開発を行ってきた。本セミナーでは、ハーフサンドイッチ型希土類アルキル錯体触媒を用いる高効率・高選択的な有機合成反応について紹介する。





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第29回有機合成化学セミナー(2012)
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