I-1 (16 : 15-17 : 05)

招待講演 (座長 (名大院工)石原 一彰)


「キラル有機分子触媒の多機能化」                        
Functionalization of Chiral Organocatalysts

(京大院理) 丸岡 啓二

 精密有機合成においては、金属触媒、とくに遷移金属触媒が縦横無尽の活躍をしている。遷移金属はリンや窒素などの化合物と容易にしかも安定な配位錯体を作るので、光学活性リン、窒素化合物に加え、最近ではヘテロカルベン錯体の活用で遷移金属触媒の触媒設計はかなり合理的に行うことが可能になってきている。それに較べ、有機分子触媒では、遷移金属触媒のような安定な配位錯体の形成は期待できず、せいぜい水素結合に基づく弱いネットワーク状の錯体を利用することになる。こういった弱い水素結合に基づく分子会合体を新たな有機分子触媒として活用すれば、いろんな可能性が拓けて来る。本講演では、そういった試みを幾つか紹介したい。



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第29回有機合成化学セミナー(2012)
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