第29回有機合成化学セミナー(2012)
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ショートアブストラクト



96()29回有機合成化学セミナー 2日目

I-2 (9:30-10:20)        (座長 (三重大院工)清水 真)
「不斉識別不斉制御のための新方法論」 
New Methodologies for Chirality Discrimination and Asymmetric Induction

(九大先導研) 稲永純二

 分子認識における不斉識別や物質合成における不斉制御は、医薬品などの生体関連化学や液晶などの材料化学等においてますますその重要性を増しており、高度な文明社会を支える科学技術として格段の進歩が求められている。本講演では、高性能な動的有機不斉識別剤、再使用可能な自己組織化型キラル不均一触媒、イオン液体中に固定可能で有機溶媒を必要としないキラル均一触媒、などについて議論する。


I-3 (10 : 20-11:10)       (座長 (協和発酵キリン)久保 和生
「新規経口FXa阻害剤エドキサバンの創製」
Discovery of a Novel Oral FXa Inhibitor Edoxaban

(第一三共(株)) 吉野 利治)

 我々は、既存抗凝固薬の問題点克服が可能な薬剤として、活性化血液凝固第十因子(FXa)を選択的に阻害する世界初の直接的FXa阻害薬DX-9065aを報告したが、その経口吸収性は経口剤としては不十分であった。そこで独自のデザインや様々な合成展開を実施して経口薬としての資質を磨き上げ、理想的なプロファイルを示すエドキサバンの獲得に成功した。本講演では、昨年7月に上市されたエドキサバンの創製を紹介する。




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