第296回 月例薬学セミナー
日時: 令和 3年 12月 21日(火) 10:00 ~11:30
場所: Zoomによるオンライン開催(詳細は後日連絡します)
対象: 大学院生,学部生,教職員,学外からの参加も歓迎いたします.
演題: 脳における神経活動に応じた局所血流調節
-脳血管性認知症リスクファクターとしての高血圧とその治療が及ぼす影響-
講師: 小出 昌代 先生,
Assistant Professor, Department of Pharmacology, University of Vermont
概要:
脳は、体重のわずか2%の重量にも関わらず、20%を超える心拍出血流量、すなわち全身の酸素およびグルコース消費量の約5分の1を要する高代謝器官である。その生理学的機能を維持するため脳全体の組織血液灌流量が一定に保たれる一方、神経活動が活発な領域では局所的な脳血流量の増加を認める。この現象は脳機能的充血反応 (cerebral functional hyperemia) と呼ばれ、脳代謝とエネルギー供給を一致させる重要な役割を持つ。本講演では、脳機能的充血反応を引き起こす機序、特に毛細血管の役割について述べるとともに、脳血管性認知症のリスクファクターである慢性高血圧とその治療が脳機能的充血反応に及ぼす影響について我々の最新の研究結果を紹介する(Koide et al., J Clin Invest. 131:e149029, 2021) 。
問い合わせ先(世話教室):
静岡県立大学 薬学部 薬理学分野
石川 智久
Tel: 054-264-5694
Email: ishikat[at]u-shizuoka-ken.ac.jp