先導的役割を担う人材の育成

薬学部長 吉成 浩一

静岡県立大学薬学部は、1916年に静岡女子薬学校として開学した、日本でも有数の歴史をもつ薬学部です。静岡女子薬学校創設者の岩﨑照吉先生が掲げたモットー「熱心努力、将来にひとつの公道を醸さん」を礎に、幅広い教養と語学力、倫理感、高度な知識と技能に支えられた創薬科学、生命薬学、衛生薬学、臨床薬学、医療薬学ならびにそれらの融合・接合領域で広く活躍し、先導的な役割を果たす人材の育成を理念としています。

薬学部では、低学年のうちに物理、化学、生物といった薬の性質や作用などの理解に必要な基礎知識と思考力を身につけます。そして、それらを基盤として衛生薬学、薬理学、薬剤学、疾患学、薬物治療学、臨床薬学といった広範な領域を学修し、それらを相互に結び付けることで、薬を包括的に捉える力を養います。創薬においては、薬のもととなる候補物質の選定、その物質の物理化学的性質の同定、有効性·安全性の評価、生産方法・製剤の最適化、承認申請、製造販売後の調査・試験などさまざまなプロセスが必要とされます。薬学部では、これらの過程に必要な知識や思考力を、多様な学問領域から複合的に学修します。

本薬学部では、両学科ともに3年次後期から学生が研究室に配属され、卒業研究に取り組みます。研究課題の設定、研究計画の立案、研究の実施、そして結果の解析と考察を通して、研究能力を身に付けるとともに、批判的および俯瞰的思考力によって課題を見出す力を涵養します。4年制の薬科学科では、ほぼすべての学生が大学院へ進学し、創薬・生命薬学分野の研究者や、製薬・化学関連の高度技術者に求められる資質と能力を修得します。6年制の薬学科を卒業して臨床の道に進んだ場合でも、卒業研究を通じて培われたリサーチマインドが臨床現場で大いに役立ちます。

 

アドミッションポリシーやデイプロマポリシーを理解したうえで、希望する進路や自分の適性にあった学科を選択し、健康長寿の推進に貢献できる薬のプロフェッショナルを目指してください。