2024/04/15 月例薬学セミナー(清水 敏之 先生)

第 313 回 月例薬学セミナー(令和 6 年度 第 1 回)

日時:   令和 6 年 4 月 15 日(月) 15:30 ~17:00 
場所:   静岡県立大学 小講堂 
世話教室: 生命物理化学分野
対象:   大学院生、学部生、教職員等、学外からの参加も歓迎致します 


演題:   自然免疫に関わるセンサータンパク質の構造生物学的研究
講師:   清水 敏之 先生 
      東京大学 大学院薬学系研究科 教授

概要:
自然免疫システムは病原微生物感染に対する重要な生体防御システムである。病原微生物に対しいち早くその侵入を察知し、炎症反応を引き起こす。宿主のセンサーが病原体に備わる病原体関連分子パターンを認識すると自然免疫反応が誘導されるが、この中でも中心的な役割を果たすのがToll 様受容体(Toll-like receptor: TLR)である。 
核酸は主要なTLR のリガンドの一つであり、TLR3 は二本鎖RNA, TLR7/8 は一本鎖RNA、TLR9はCG 配列を含む一本鎖DNA をリガンドとし、いずれもエンドリソソームに局在する。このような核酸認識TLR は強力に免疫応答を誘導することから抗ウイルス薬やがん免疫賦活剤としての利用が期待される。その一方で、過剰な核酸認識TLR の応答は自己免疫疾患を発症させる。以上のことはTLR7,8 のアゴニスト、アンタゴニスト共に新規の治療に直結することが強く示唆される。本講演では核酸認識TLR に焦点をあてその活性化機構およびアンタゴニストによる阻害機構の知見を紹介する。

*「薬品物理化学特論」受講の大学院生は必ず出席すること。

月例薬学セミナー委員会 


問い合わせ先: 静岡県立大学 薬学部 
        生命物理化学教室 橋本 博
        Tel: 054-264-5644
        E-mail: hash(ここに@を入れる)u-shizuoka-ken.ac.jp