2022/11/17 大学院特別講義 中村 達 先生

大学院特別講義   

日時:令和4年11月17日(木) 15:30〜17:00

場所:静岡県立大学 草薙キャンパス 13411教室

世話教室: 医薬品創製化学講座

対象:大学院生,学部生,教職員(学外者の参加も歓迎します)

演題:”触媒的骨格転位反応を鍵とする有機合成手法の開拓”

講師:中村 達 先生 

      (東北大学大学院理学系研究科 准教授)

講演概要:

骨格転位反応は分子骨格を形成するσ結合の切断を伴って分子連続性が変化する変換反応であり、新たなσ結合を構築する強力な方法論として有機合成に汎用されてきた。特に、他の手法では合成できない化学種を過渡的に発生できることが骨格転位反応の最大の魅力であり、この鍵中間体の反応性を利用したカスケード反応により多様な複雑分子を合成することが可能である。演者のグループでは、近年 O-プロパルギルオキシム 1 に対し銅や金、ロジウムなどのπルイス酸性遷移金属触媒を作用させることにより、C-O、N-OまたはC=N結合の開裂を伴う骨格転位を経て多様な環サイズをもつ多置換へテロ環化合物が効率的に合成できることを明らかにした。さらに、この研究の途上、N-ヒドロキシアニリン誘導体 2 がカチオン性金属触媒の作用により[1,3]-酸素転位を経て多置換アニリンへと変換されることを見出した。本講演では、O-プロパルギルオキシムとN-ヒドロキシアニリン誘導体の反応性と合成法としての有用性をその研究経緯とともに概説する。

本講義は「薬科学特論」の対象となります。出席カードを持参してください。

  問い合わせ先:                                          

静岡県立大学 薬学部 医薬品創製化学講座       

  濱島 義隆 (hamashima[at]u-shizuoka-ken.ac.jp)