第298回 月例薬学セミナー
(令和 4 年度第 2回)
日時: 令和 4年 5月 16日(月) 15:00 ~ 16:30
場所: 小講堂(予定)
世話教室: 臨床薬効解析学分野
対象: 大学院生,学部生,教職員,
学外からの参加も歓迎致します.
演題: プレシジョンメディスンの実現に向けた臨床研究
~治療層別化を可能とするバイオマーカーの構築~
講師: 平井 啓太 先生
信州大学医学部附属病院 薬剤部 准教授・副薬剤部長
信州大学大学院総合医理工学研究科 臨床薬理学分野 准教授
概要:
一人一人の患者に対して最も有効で最も安全な治療法を提供することは、医療者における一番の願いであり、目指すべきところである。しかし、医療現場において最適な治療薬を選択する際には、その判断材料が十分ではなく、時に病名のみに基づいた画一的な治療に繋がることも懸念される。また、ガイドライン等で推奨された第一選択薬から治療を開始しても、効果が十分に得られない患者も存在し、最適な治療法に至るまでに時間を要することも少なくない。そこで、患者の病態や背景を正確・精密に評価し、患者の特徴に適した治療法を選択するプレシジョンメディスン(精密医療)の実現が望まれている。この実現に向け、現行の治療法で治療可能な患者の特徴は何なのか、その特徴を評価するための客観的指標(バイオマーカー)は何なのか、この点について研究が盛んに行われている。本講演では、特にプレシジョンメディスンの実現が望まれている慢性呼吸器疾患(気管支喘息およびCOPD)における医療の現状と、近年急速に進んでいる研究の概要について、我々の最新の知見も含めて紹介したい。
月例薬学セミナー委員会
問い合わせ先: 静岡県立大学 薬学部
臨床薬効解析学分野 伊藤邦彦
Tel: 054-264-5673
E-mail: itohk@u-shizuoka-ken.ac.jp