内田信也 (実践薬学分野教授)

患者さんに優れた製剤と薬物治療をお届けする
薬物を患者さんに投与すると、薬物は血液に乗って体内に分布して効果を発揮します。私たちは体の中の薬物量を測定し、効果や副作用との関係を明らかにして、治療薬を賢く、上手に使用するかについての科学的根拠を与えたいと思っています。
でも患者さんがお薬を使用してくれなかったら、どんな良い薬でも効果はありません。医薬品の製剤のどのような特性が患者さんに使いやすく、アドヒアランスの向上に寄与するのかについて解明しようとしています。またラムネ菓子のようにおいしく口の中でさっと溶ける薬、お菓子のグミやムースを応用したグミ製剤やフォーム製剤など、患者さんにとって好ましく服用しやすい薬を作ることをめざした研究も行っています。
さらに薬物治療を行う上で薬剤師の役割は重要です。薬剤師業務の実践が患者さんの治療にどのように貢献できるのかについての研究を行い、薬剤師業務のエビデンスを作り出してゆきたいと思っています。
私たちは「実践」キーワードに研究を進めながら、これらの研究の成果が、患者さんに優れた製剤と薬物治療をお届けする一助になればと願っています。