第 318 回 月例薬学セミナー(令和 6 年度 第 6 回)
日時: 令和 6 年 10 月 18 日(月) 15:00 ~16:30
場所: 静岡県立大学 小講堂
世話教室: 臨床薬効解析学分野
対象: 大学院生、学部生、教職員等、学外からの参加も歓迎致します
演題: 薬学で学んだ未来への創造の道
講師: 瀬名 秀明 先生 (作家)
講演概要:私、瀬名秀明は、東北大学大学院薬学研究科(博士課程)の在学中に長篇小説『パラサイト・イヴ』で第2回日本ホラー小説大賞を受賞し、作家としてデビューした。その後は大学の講師や特任教授をときおり務めつつ、小説や科学ノンフィクション、文芸評論などを書いて30年近くを過ごしてきた。私の両親はともに静岡薬科大学の卒業生であり、父・鈴木康夫は糖鎖ウイルス学者として、この静岡県立大学薬学部で教授を務め、その後中部大学やダイヤ製薬などでも自身の研究に邁進した。私・瀬名は博士課程在学中に小説新人賞を受賞してデビューしたので、博士号が無事に取得できるのか周囲から心配もあったが、多くの人に支えられて博士課程を無事に修了することができた。いまでも学生時代に得たたくさんの恩師や先輩、同級生たちとの絆は消えることなく、それどころか日々の作家としての生活に不可欠なものであり続けている。私がいまも科学を物語のなかで描き、科学を中心にアイデアを練り上げ、読者の皆さまに楽しんでいただけているのは、薬学を通して学んだ科学観や生命観、さらには社会観や倫理観、世界観に拠るところが大きい。薬学によって私は未来を見渡し未来をつくる作家という仕事を続けることができている。本講演では薬学を通して私が感じてきた「未来の総合知」について語り、そして知とは物語のように世代から世代へと受け継がれてゆくこと、また科学とは究極的に〝人間らしさ〟とは何かを探究する素晴らしい旅であることについて話したい。
*「薬物治療学特論」受講者は必ず出席してください。
* 上記特論受講者以外の院生はセミナーカードを持参・提出してください
月例薬学セミナー委員会
問い合わせ先: 静岡県立大学 薬学部
臨床薬効解析学分野 伊藤 邦彦
Tel: 054-264-5673
E-mail: itohk@u-shizuoka-ken.ac.jp