研究内容

Safe & Easy
Synthetic Chemistry

もし分子を安全かつ簡便に変換できるようになれば、現在の化学合成法を理想的な化学合成法に変えることができます。
現在、「安全かつ簡便な合成法を実現する化学(Safe & Easy Synthetic Chemistry)」を開拓するという目標に向けて、以下の研究などを行っています。

1.安全・簡便に実施可能な化学合成法の開発
2.短工程化学合成を実現する触媒の開発
3.新しい機能性分子の開発
4.生物活性物質の合成

 


現在進行中の研究の例

◆毒性ガスを使わない「安全・簡便な化学合成法」の研究

一酸化炭素ガスは、化学合成に頻繁に使用される有用な化合物ですが、毒性がとても高く、取り扱いにくいという問題点があります。

そこで、より安全な化合物を一酸化炭素の代わりに使えないだろうか、という観点から、国内外の幾つかのグループが研究しています。

私たちも、これまで一酸化炭素が使われてきた触媒反応を、一酸化炭素ガスを使わないで安全に実施できる手法を研究しています。

研究によって、実際に幾つかの触媒反応を開発できました。

例えば、ギ酸トリクロロフェニルという化合物が、室温で弱塩基と混ぜると、一酸化炭素をただちに放出することを発見しました。この一酸化炭素をそのままフラスコ中での触媒反応に利用することができます。この化合物は、安定な結晶で、長期間保存できます。扱いやすい「固体の一酸化炭素」と考えることができます。現在、数社の試薬会社から発売されています。

 

参考
★ 一酸化炭素等価体の解説がオーガニックスクエアに掲載されました。
★ 実験手法が、厳格な再現性が要求されるOrganic Synthesesに掲載されました。


◆ピンポイント触媒の開発研究

分子の反応させたい部分だけをピンポイントの正確さで化学反応を起こさせる触媒「ピンポイント触媒」の開発を目指して研究しています。

ピンポイント触媒は、分子サイズのロボットのようなものです。右手と左手でそれぞれ反応剤をつかんで、無理やり反応させる。そのような機能を持つ触媒です。

この考えに基づいて、新しい触媒(DHTP-Pd)を開発しました。触媒の形はロボットとは大きく異なりますが、機能としては似ています。この触媒によって、従来は実現困難だった化学反応が実現できるようになっています。


参考
★ 我々が開発したDHTPが和光純薬工業から市販化されました。
★ DHTPの解説がオーガニックスクエアに掲載されました。
★ DHTP関連の総説がCatalystsに掲載されました(open access)。
★ 解説記事が「化学」2013年11月号(化学同人)に掲載されました。



この他にもいろいろな研究をしています。