3.肝線維症発症に関与する細胞内情報伝達機構の解析と疾病予防への応用

肝非実質細胞の一つである肝星細胞(Hepatic stellate cell: HSC)は、肝傷害時に活性化され、コラーゲンを産生・分泌する筋線維芽細胞様の形態を示します。そのため、活性型HSCは肝線維化の責任細胞と考えられています。現状、進行した肝線維化の治療は難しいとされるが、静止型HSCがコラーゲンなどの細胞外基質を分解するmatrix metalloproteinase(MMP)を分泌することから、活性型HSCを静止型HSCへと脱活性化できれば、肝線維化も治療可能であると考えられます。